冬場は暖房器具等の火災が多くなりますよね。
年イチペースでしか使わない暖房器具(電気ストーブや灯油ファンヒーターetc)などはケーブルや内部の劣化が思わぬ火災の原因になりかねません。
また、昨今スタンダードにありつつある「オール電化」は一部で「ガスや灯油を使わないから火事の心配がない」と誤解されていますが、オール電化でも火事は起こりえます。
オール電化でも油断できない電気火災
日常家電から発火して火事になるパターン
電気火災において注意すべき点は主に下記だと言われています。
注意ポイント
- コードの損傷やコンセントプラグ部分のトラッキング現象
- 経年劣化した家電や不良品の家電による火災(主に電力消費量の多い暖房機器や調理機器)
- バッテリー類からの発火(リチウムイオンetc)
コードの損傷部分に熱が溜まり発火する現象やブラグ部分に湿気を帯びたホコリが溜まって発火するトラッキング現象はかなり昔から注意喚起されています。
これらは「電化製品の取り扱い不注意」だったり「部屋の掃除不足・整理整頓がなされていない」などが招く火災と言えるでしょう。
これからも人が生きていく上で電化製品は無くてはならないものですから、電気火災がゼロになることは現時点では難しいといえます。
また、今は小型軽量化が進み多くの製品にバッテリーが搭載されました。
これらバッテリーにも品質の差があり、衝撃や温度変化などをきっかけに発火するトラブルも(事例は少なくとも)ゼロではありません。
たとえ家がオール電化だからといっても、その住宅にいる人間のミスや所持しているモノでいくらでも火災は起こり得えることがわかります。
自分が気をつけても他人が火事を起こすパターン
一軒家で暮らす家族もみんながみんな「火災に対する意識」が高い訳ではありませんよね。
オール電化マンションやアパートに暮らす人でも、自分達は気をつけていても近隣住人が気をつけていないならやはりリスクは付きまといます。
電気火災ではありませんが、過去にあるネット配信者が起こした火事があります。(この動画は火事の恐ろしさを知る上で貴重な映像です)
これをみた人が「いや、流石に自分はこんなことしないよ〜」と思っても、周囲の人間がやっちゃったら結局同じことなんですよね。
IHクッキングヒーターでも油を使えば火災になる可能性はありますし、たばこを吸わない人でも「アロマキャンドルやアロマオイル(を炙る)」や「線香に火をつけるライターやマッチ」など、火を使う場面はゼロではありません。
一部屋で火が燃え広がったら個人レベルで消火不可能ですから、被害は必ず大きくなります。
近隣住民が起こした場合はどうにもなりません。
とはいえ、自分自身で火災への備えを万全にすることや、
万が一自分が原因で火災が起きても初期消火できれば大惨事は免れることができます。
一般家庭で使える万能な消化器のタイプ
油火災・電気火災に水をかけるのは絶対にNG
「火事が起きたら水をかければいいじゃん」という意見もありそうですが、電気火災でそれをやると感電の危険性があります。
コンセントプラグや家電に向かってバシャバシャ水を浴びせるのはあまりにもリスキー。
また油に水はバチバチと跳ねて超絶危険なのは揚げ物を作る方ならよくわかるハズです。(=油火災の消火に水は不適切)
そのためこれらの消火には(主に)粉末系の消火剤を用いた方法を取るのが安全であり、そのタイプの消化器を選ぶ必要があります。
一般家庭での火災原因としては下記が考えられるでしょう。
- A火災・・・普通火災(たばこの不始末など
- B火災・・・油火災(揚げ物中の発火など
- C火災・・・電気火災(コンセントトラッキングなど
これらの火災に対応したABC消化器というのがあります。
また、消化器よりもコンパクトなエアロゾル(エアゾール)系の消火スプレーも便利です。
消火スプレーは窒素ガスを吹き出すことで周囲の酸素濃度を低下させることで消火するもの。
主に揚げ物の火災を意図しているようですが普通火災にも使えるようです。(電気火災にはあまりオススメできないのかもしれません)
消化器よりも場所を取らず使い勝手が良さそうですが、使用期限が一般的な消化器よりも短いです。
スプレー式消火具「火消しスプレー」「消す兵衛」「消す兵衛Jr.」は、エアゾール式簡易消火具です。殺虫剤・化粧品などのエアゾール缶と同様、内部の薬剤・圧力を抜いて廃棄してください。
*本製品の設計標準使用期限は、製造年月より3年となります。使用期限を経過したのものは、下記の手順にて廃棄処理をお願いします。
粉末ABC消化器(よく見る赤い消化器)は一度買えば10年くらい持つのと、内容量も全然違うので「割と強めに燃え広がってしまった場合」などでも安心。そんな場合に消火スプレーでは少し弱いかもしれません。
ちなみに私は両方常備しています。(注 右のヤマトプロテックの製品はリコール対象品です。現在は違う製品に買い換え済み)
消化器は蓄圧式消火器がスタンダードになりつつあるそうで
消化器には主に「蓄圧式」と「加圧式」の2種類があります。
蓄圧式
製造工程で容器内にガスを入れてあるもの。常時圧力が掛かっており、圧力計がついている。
薬剤放出を途中で止めることができる。(再利用は不可能)
加圧式
容器内にガスタンクを内蔵しており、使用時にガスタンクを破り加圧することで薬剤を放出する。
薬剤放出を途中で止めることができないので一度レバーを引くと全部出る。(放出をストップできる製品もあるらしい)
昔は加圧式が多く存在してたらしい。(昨今は蓄圧式に交換され始めているとか)
小学生の頃に雑草だらけの空き地に転がっていた消化器を友達とイタズラしたことがあります。(もう20年以上前の話なのでご容赦下さい。)
ピンを抜いてレバーを引いた瞬間に色の付いた粉がブォォオォォォォォッォーと吹き上がり、あまりの恐怖に友達と逃げました。
今思うとあれは加圧式で、中の薬剤がすべて出切るまで止まらなかったのもそのせいか!と納得しました。
消化器をイタズラするのは絶対にやめましょう。割と本気で悲惨な感じになりますし、腐食したものは破裂の危険性があります。
また、大人は期限の切れた消化器を外に不法投棄するのはやめましょう。私みたいなのが興味を持ってイタズラしてしまうのでちゃんと回収に出して下さい。
ちなみにどれくらいの威力で吹き出すか?は下記の動画が参考になります。動画で満足しましょう。
ちなみに「消火できても部屋中粉だらけになるの嫌だから液体がいい」という声もありそうな気がしています。
私自身もそう思っていたのですが、いざ火災が起きたら壁紙も床も真っ黒になっちゃいますし、最悪全部燃えて灰になります。
「家が燃えて大事な家具や何やが全部灰になっちゃうのと、粉で汚れても無事消火して一部焼けた程度で助かるならどっち選ぶ?」と2択で考えれば、部屋中粉だらけになっても助かるほうが有り難いでしょう。
火災への備えはやって損はない!
地震などの災害対策も大事だけど、もっと身近な火の用心。
火事のニュースは日常的に聞く訳でもなければ、私個人の家族や知人友人で「火事になった」という話を聞いたことは過去一度もありません。
とはいえ「やらかしてしまえば財産も命も失われてしまうリスク」は対策するにこしたことはありませんよね。
ということで、買うのであれば蓄圧式粉末ABC消化器が万能でオススメ。と。