災害備蓄も兼ねてバッテリー選びにしばらく悩んでいたのですが、最近ようやく購入してみました。
ECOFLOW(エコフロー)のRIVER 2です。
備蓄を兼ねた「小型なポタ電」選び
リン酸鉄(LiFePO4)仕様のポータブル電源なら安全性は高い
ポータブル電源界隈では一気にリン酸鉄仕様の製品が増えました。
いままでは三元系と言われるニッケル・マンガン・コバルトを使用した従来のリチウムイオンバッテリーよりも安全性が高まっているとのことで、リチウムイオンバッテリーに並々ならぬ恐怖を抱いている私も少し安心です。
リン酸鉄リチウム結晶のPO結合は安定しており、分解しにくく、コバルト酸リチウムのように崩壊したり加熱したりせず、高温や過充電でも強い酸化性物質を形成するため、安全性能に優れています。
実際の操作では、鍼灸や短絡試験でサンプルのごく一部に燃焼現象が見られたとの報告がありますが、爆発はありませんでした。過充電実験では、自己放電電圧の数倍の高電圧で充電したところ、まだ爆発現象が見られました。
それでも、通常の液体電解質コバルト酸リチウム電池と比較して、過充電安全性能が大幅に向上しています。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのメリット
- 安全性が三元系よりも高い
- 高温耐性が三元系よりも高い
- 充放電回数が三元系より大幅アップ(長寿命)
逆にデメリットとしては「電圧・エネルギー密度が低く、低温時の性能が悪い」ということが挙げられます。
また、リン酸鉄自体は安価でも加工コストがかかり最終的な製品としては三元系よりも高価になりやすいとのこと。
今の所、モバイルバッテリーで使われているのはエレコムの1製品のみ。
12,000mAhで5000円ほどですから、そこそこ割高ですね。
今後リン酸鉄仕様のモバイルバッテリーが増えたら安くなるかもしれませんね。
定番メーカー「ECOFLOW」のリン酸鉄モデルなら長期間の備蓄でも安心
無名メーカー品で冒険するのも好きなんですけど、最初のポータブルバッテリーということで定番メーカーを選んでみました。
(「え?これからまだ増やすの?」って感じの言い草)
かといってこちらの目的としては主に「停電時の充電手段(主にスマホ)」なので、各種家電を動かしまくれるような大型大出力のポータブル電源までは不要でした。
今回購入したRIVER2は3万円くらい。ポータブル電源にしては小さくて持ち運びしやすいタイプです。
天板がテーブルみたくなってるんですけど、比較対象を置いてみました。こんなコンパクトなサイズ感です。
それでもACは定格300W(サージ600W X-Boostで450W)
容量は256Whあるので4,000mAhのスマートフォンなら13回はイケる訳ですね。
ちなみに充放電可能回数は3000回(公称値)はあるそうで、一日1回使っても10年は持つと・・・。
低消費電力(300W以内)の家電なら難なく動かせるので、試しに200Wヒーター君を使ってみました。
【正義の200W】ビームヒーターが小さいのに暖かくて電気代も控えめな件
文句なしに温かいですが、バッテリーがみるみる減っていきます。
ちなみに充電はコンセントから行えるのですが、1時間ちょっとで満タンになる高速充電仕様です。
また、ポータブル電源はソーラーパネルで充電すればさらに災害にも心強いですよね。
river 2にはXT60という規格の端子が背面についています。
純正のソーラーパネルより安いパネルをお探しの際は、ソーラーパネルなら何でも良いという訳ではなく「XT60のコネクタに変換できるか?」をチェックするのがポイント。
例えばELECANTA(エレカンタ)というメーカーのこちらの製品はXT60に繋げるためのコネクタが付属しています。(レビューでもriver2に使用されている方が見受けられました)
小型でもUPSレベルのEPSを搭載
30ms以内での自動切り替えでバッテリーから電力供給
公式ではこのような説明があり、一応注意書きとして下記の記載もあります。
7. EPS機能は0ms(ミリ秒)での切替えには非対応のため、データサーバーやワークステーションのような完全なUPS機能を必要とするデバイスにはご利用いただけません。
引用:https://www.ecoflow.com/jp/river-2-portable-power-station
字面が似ているのですっかり混同していたのですが、
EPS(非常用電源)とUPS(無停電電源装置)は違うようです。
UPSの方が切り替えのタイムラグが短く設計されている(ことが多い)ため電子機器などに気づかせないレベルで切り替えが可能とのこと。
ECOFLOWのriver2はEPSなのですが、30ミリ秒以下という速度で切り替えしてくれます。
ということで、エコフローの稼働状況をスマホで見れるアプリを入れて、擬似的に停電を起こしてみました。
使うのはBeelinkのミニPCと24インチのモニタ。
river2のフロントには2個口のコンセントがあるため、ミニPCと液晶を繋いで検証です。
river2本体の電源ケーブルをコンセントにつないでいる時はパススルーでミニPCとモニタに電力が供給されているようです。(緑とオレンジのアニメーションで表されていますが、わかりにくいので赤い矢印をつけてます)
やたら消費電力が低い感じもしますが、ちゃんとミニPCと24インチモニタは稼働しています。
そして停電が起きたと仮定してriver2の本体とコンセントをつなぐケーブルを引っこ抜く。
すると・・・
カチッ!
コンセント経由での供給が絶たれたため、バッテリー駆動になりました。カチッという切り替え音も鳴りましたね。
肝心のパソコンやモニタは・・・落ちてません!モニタもPCも停電前を保っています!
UPS用としてもっとバッテリーのでかいポタ電はいつか買えたらと思ってましたが、これでパソコン1台分を守れるならありがたい。
しばらくバッテリー駆動をさせたあとに再び本体をコンセントに刺すと、内部バッテリーの充電を始めてウィィィーンというファン音をさせてましたが、100%になるとパタっと静かになりました。
ちなみにAC出力待機時間という項目があり、時間が経って勝手にOFFになったら停電対策にならんのか?とか思い常時稼働にしています。
ECOFLOW以外に「小型なポタ電」を扱う定番メーカー
ANKER
モバイルバッテリーやデジタルガジェットなどで有名なANKER(アンカー)もポータブル電源を出しています。
リン酸鉄モデルもあるのでANKER信者の方は統一するしかありません。
BLUETTI
ブルーティと読むようです。
ポータブル電源を数多く発売しており、評価も安定しており信頼できる高品質なメーカーと言えます。
リン酸鉄モデルもあります。
公式サイトでは定期的にセールをやっているようなので、タイミングが良ければお得に買えるチャンスも。
Amazonなどで買う場合はmAhの表記に注意!
- 268.8Wh/84000mAh
- 100000mAh/320Wh
こんな表記をしている製品がよくあります。
これらは出力電圧3.2VでのmAhの数値で、スマホなどを充電する場合は5Vに変換するので実際の充電可能容量は少なくなります。
スマホの周辺機器メーカーである株式会社オウルテックの情報によると、
iPhoneを充電する際は「5V」の電圧で電力を送らなければいけないのに対し、
モバイルバッテリーの記載では「3.6V~3.7V」で流すことのできるmAhが書かれているそうです。そのため、「3.6V~3.7V」の電圧を「5V」に変換、また変換するための電力もかかってしまうため、記載されている「60~65%」ほどの電力しか使うことができず、
結果として、10,000mAhの充電器でも6,000~6,500mAhの電力しか送ることができないのです。
そのためmAhの数値に飛び付かず、Whで考えることをお勧めします。
「Whはわかりにくい!」という方はこちらの計算サイトを使えばmAh→Whはもちろん、Wh→mAhへの変換も計算できます。
mAhとWhの変換
さいごに
1つ持っていれば急な停電でも焦らない
過去に結構長い停電を喰らったことがありまして。
その時はモバイルバッテリーは持ってたんですけど「電力はいつ復旧するんだろう?」という不安もあり、なるべくスマホ使わないようにして電力の節約をしていました。
停電発生時は基地局も落ちるのでスマホ持ってる意味もないんですけど、基地局は比較的早く復旧して一般家庭は停電継続中なんて状況も体験しました。
そんな人達向けに携帯ショップで充電サービスなんかもしてたそうですが、結構行列だったようで・・・。
でもこれくらいの小型ポータブル電源が1つでもあれば、かなり気が楽ですし、何なら適合するソーラーパネルも買えば「ソーラー充電」も可能ですから安心感は底知れません。