大量のデータを保存するにあたって悩ましいのが「どの記録媒体(記録メディア)を使用するか」ではないでしょうか?
あくまで保存だからこそコストはかけたくない。
低コストで長期保存が望ましいものの、コストばかり考えると低品質メディアを掴みデータ消失という最悪の事態さえあります。
想定寿命や保存スタイルからベストを探ってみる
長期保存で現実的なのは「長期保存用ブルーレイディスク」か?
信頼性 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 |
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名称 | 長期保存用光ディスク | MOディスク | 光ディスク | ハードディスク(HDD) | フラッシュメモリ | フロッピーディスク |
理論上の寿命 | 約1000年 | 約50年 | 約5-20年 | 5-10年 | 3-5年 | 2-3年 |
コスト | △ | ✗ | ○ | ◎ | ○ | ✗ |
手間 | 専用ドライブが必要 | USB経由 | USB経由 | 専用ドライブが必要 |
※理論上の寿命は"理論上"であるのはもちろん、媒体の品質によっても大きく変わるため目安程度に受け取りください。
MOディスクやフロッピーディスクは一般家庭ではもはや化石レベルの品物なので含めるか悩みましたが、一応入れておきました。
この中なら「長期保存用光ディスク(ブルーレイ)」が最も安定しているように思えますね。
ブルーレイなら25GB/50GB/100GBとそこそこ保存容量も確保することができます。
それでも昨今のHDDやフラッシュメモリの大容量化を思えばコスパが良いとは言えませんし、どちらかと言えば心もとないですけど。
「一度書き込んだら数年は放ったらかし前提」なら長期保存光ディスクがベストな選択ではないでしょうか。
また、光ディスクが今で言うフロッピーディスクレベルまで過去の遺産となるのはまだ数年は先の話だと思われます。(確証はありませんが)
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適度に保存内容を書き換えたり、アクセスするならミラーリングのHDD?
例えばたくさん撮りためた映像など、猛烈に容量を食ってしまうデータだと全てを光ディスクにするのは無謀です。
また「保存したデータを思い立ったらすぐ見たいから、光ディスクとか面倒くさい」という方も多いでしょう。(私もこのタイプです)
となると大容量なHDDが有力候補となりますが、意外とHDDも故障するもので信用なりません。
そこで考えられるのは2つの手段。
- 2つのハードディスクに同じ内容をコピーするミラーリング接続で保存
- 壊れていなくても一定年数でHDDを新品に変えていく(古いHDDにもデータを残しておくアナログ的なミラーリング)
HDDはフラッシュメモリ系に比べれば突然死リスクが低く(故障の)予兆を知らせてくれることはありますが、壊れる事には変わりないため複数台(2台〜)でのコピー運用が必須となりそうです。
運悪く2台とも壊れた場合は泣きましょう。
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フラッシュメモリは一時保存が吉。SSDであっても2台体制が安心
格安のSDカードやUSBフラッシュメモリーは昨今大容量低価格化が激しいため容量だけならバックアップメディアとして使えるでしょう。
ただ、構造的に耐久性・信頼性に優れているとは言えず「一時保存メディア」と割り切るのが良いと思われます。
(中には数年持ちこたえる製品もあるようですが)
また、HDDに置き換わってシステムドライブの主流となったと言っても過言ではないSSDですが、こちらも突然死が不安です。
高耐久とは言われていますがやはり2台体制が良いでしょう。
ですが、まだHDDよりもGBあたりの単価が高いためあえてSSD2台体制のバックアップを取る必要性がないとも言えます。
クラウドストレージに活路を見出してみる
細々としたファイルならドロップボックス等が便利か?
クラウドストレージはそれらを提供している企業が厳重なバックアップをしているため、むしろ個人よりも強固かもしれません。
ドロップボックスなら月額1,000円ほどで1TBの大容量スペースを得られるため「毎年HDDを買い換えるようなもの」と思えば同じ位のコストでしょう。
しかし動画ファイルなど容量が大きいファイルだとアップロードもダウンロードも時間がかかるため、すぐ見たい場合にストレスとなる可能性があります。
また、固定回線で使い放題ならともかく制限のある通信回線を使っている場合は使い勝手が悪いですよね。
クラウドストレージに上げる場合、写真のような細々としたファイルなら有用だと言えそうです。
記録メディア以外にも気をつけなければならないリスク
火災や震災による破壊、水没など
せっかく信頼性のあるメディアや2台体制のバックアップをしていても、それ自体が破壊されては一瞬で終わります。
そのリスクとしては主に火災や震災でしょう。
または人災もあるかもしれません。(子供がイタズラして壊したり、あなたの秘蔵データ(過去の栄光)を発見し怒り狂った身内が破壊してくるかもしれません)
となると必要になるのは耐火・耐水・防犯に優れた金庫です。
メディアはそこまでかさばらないので立派なものではなく、必要最低限の性能を備えた簡易的な金庫で十分でしょう。
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まとめ
最強の記録媒体は使用スタイルによって変わる
- 数年ほったらかしなら長期保存光ディスク
- 頻繁にデータにアクセスするならHDDの2台〜体制
- 大きなデータじゃないならクラウドストレージもアリ
これらにプラスして火災・震災・人災対策を講じておけばある程度安心は得られるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。