ついこの間、アメリカ大統領選挙がありましたね。
結果はトランプ氏の圧勝でしたが、アメリカや日本の大手メディアはこぞって「支持は拮抗!ハリス有利か!?」みたいなノリだったと言います。
実際、私が去年帰省して実家で久々にテレビを見たとき、池上彰氏が自身の番組でここぞとばかりのトランプディスをしていたのを見て呆れてチャンネルを変えたほどです。
(私はトランプ支持でもハリス支持でもなかったですが、メディアがトランプという人物を異常に袋叩きにしているのは違和感がありました)
他にも先日は衆議院選挙がありましたね。
国政選挙なのに、国政政党である参政党と社民党が、民放の党首討論番組に呼ばれないこともあったようです。
政党支持者ではなくとも「なんで?」という状況が多々起きていますが、これについてメディアが国民に納得する説明はしないようです。
情報の切り取りや偏向報道に騙されないために
必ず「本人が言った、書いた原文全て」を見て背景を知ること
アンミカさんをご存知でしょうか。
私はテレビで過去に数回見たかどうかという位の認知で特に好きも嫌いもありません。
ですが、一部ネットからは猛烈に嫌われており、その理由が「日本は世界の恥」という反日的とも取れる発言をしたことだったりします。
この発端は何か?というと、2018年の国会議員の杉田水脈氏による「LGBTに関する寄稿文」の内容でした。
ワイドショー番組「バイキング」は杉田水脈氏の寄稿文を抜粋し取り上げ、番組に出演していたアンミカ氏が上記のコメントをしたのです。
番組では杉田水脈氏による発言は下記のように切り取られました。
メディアの抜粋
- LGBTの人たちは子どもを作らない、つまり「生産性がない」
- そこに税金を投入することが果たして賛同が得られるものなのか
アンミカ氏のコメントも全文を聞くと「こんな発言をする人を党として庇っていること、これからオリンピックでLGBTをカミングアウトしている代表を迎えるというのに、日本は恥をかいてしまう」というニュアンスでした。
これも私による要約(切り取り)なので、原文を引用されているサイトなどから読んでみてくださいね。
【原文のある記事】https://mayuhke.com/nihonhasekainohaji-anmika/
ここまで読むと、アンミカ氏の「日本は世界の恥」という発言には反日的な意味はないとわかります。
他の発言ではわかりませんが、この発言においては「不当に反日タレント扱いされている」とも思えるでしょう。
しかし、そもそもアンミカ氏による「杉田水脈氏への怒りや悲しみのコメント」は正しいものなのでしょうか?
それを判断するために杉田水脈氏の寄稿文全文を読んでみないとわかりません。
問題となった新潮45・2018年8月号にある寄稿文を引用掲載している記事がありました。
【原文のある記事】0006. 杉田水脈氏「『生産性』がない」の寄稿文について思うこと
私はこれを読んで、至極真っ当な意見だと思いました。
全て読んでみると「少なくとも杉田水脈氏はLGBTに理解がない人ではない」とわかります。
また、下記は原文の一部を引用したものです。
リベラルなメディアは「生きづらさ」を社会制度のせいにして、その解消をうたいますが、そもそも世の中は生きづらく、理不尽なものです。
それを自分の力で乗り越える力をつけさせることが教育の目的のはず。「生きづらさ」を行政が解決してあげることが悪いとは言いません。しかし、行政が動くということは税金を使うということです。
例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。
彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。にもかかわらず、行政がLGBTに関する条例や要項を発表するたびにもてはやすマスコミがいるから、政治家が人気とり政策になると勘違いしてしまうのです。
捉えようによっては「国民のために使われる税金をしっかり考えるべきだ、それは国民のために本当に有意義な使われ方なのか?」ということを主張しているとも言えるでしょう。
国家は国を存続させていくために、意味ある所に優先して税金を投入すべきですよね。
ゆえに、少子化対策に繋がる不妊治療などには税金を投じる賛同が得やすいという例えを出しています。
しかしLGBTはどうか?(彼女なりの論理の通った説明が原文でされているので割愛します)
【原文のある記事】0006. 杉田水脈氏「『生産性』がない」の寄稿文について思うこと
「生産性がない」という主張はさまざまに解釈されるリスクが大きい部分なので、そのフォローをする説明をしなかったのが痛手ですが、実際に「子孫をつくるという生産性」だけで見れば確かに生産できる見込みはないわけです。
これはLGBTのみならず、結果的に独身で生涯を終えた人も同様です。(私もいま独身なのでその予備軍ですが)
ここで「社会的・経済的な価値を作るという意味での生産性は人間誰しも持っているが」などのフォローがあればここまで切り取られバッシングされなかったかもしれませんね。
とはいえ、アンミカ氏は番組内で自身が不妊治療をして高齢出産できなかった経験をもとに杉田水脈氏の「"生産性"発言」に傷ついたとコメントしていますが、当の杉田水脈氏は不妊治療は国が税金を投じて行うこととして大義を得られる1つの事例として述べています。
「生産性がない」だけを切り取って拡大解釈すれば「こいつは子供を産めない・作れない人間は生産性がないと無価値扱いする酷い差別主義者だ!」となりますが、全文を読めばそういう話ではないとわかることです。
つまりアンミカ氏もまた「メディアの切り取られた情報のみに乗せられ感情のままに怒った」という構図になります。
それを見たテレビ視聴者は当然「アンミカかわいそう!こんな事を言う杉田水脈は人間として最低だ!」という憎悪のスパイラルを生みます。
もしここでメディアか視聴者のどちらかが
- メディアが全文を紹介し、発言の真意を伝える
- 視聴者が全文を調べ、発言の真意を知る
本人の発言や文章の全てを知ることができていたら、感情を刺激され「あいつは最低だ!」とならなかったハズなのです。
残念ながら現状のメディアはそれをやる気はないようなので、視聴者側の私たちが全文を調べ発言の真意を解釈していく必要があります。
これは昨今のアメリカ大統領選挙もそうですし、日本での政治全般もそうです。
先ほど全文引用を掲載していたサイトでは下記のような指摘もありました。
残念ながらこういう視点はテレビのコメンテーターからは出てきません。ネットだからこそ得られるものだと言えます。
「餅は餅屋」と言っても、色々な餅屋があるのが正常であると考える
テレビでは時折「ネットの情報に気をつけろ!テレビと違ってデマが多いぞ!」みたいな警鐘を鳴らしてきます。
えっ!
いや、😨
おいっ❗️😓😨 pic.twitter.com/YpnpiuPuhO
— MASA (@masami120206) November 18, 2024
ネット上には誤情報やデマというより、多くは「賛成派と反対派がそれぞれ真逆のことを言い争っている現状」があるというほうが正確かと思います。
(もちろん現実的には嘘としか言えない内容のものもあるでしょう)
何かの主張や思想において賛成派から見れば反対派は「誤情報やデマを垂れ流す陰謀論者」となりますし、反対派から見ても賛成派は「金に目がくらんで嘘を垂れ流す御用学者」になりうるのです。
でも、本来そういう両者の真逆の意見を知るからこそ、冷静な判断ができる所もありますよね。
間違う人の大半は「信頼できる1箇所のみから情報を得よう」とします。
それって「真逆の情報も得て自分で判断しよう」という人と限りなく遠い所に位置していますし、自分の事も信じていません。他人任せなのです。
洗脳された人もそうでしょう?1箇所にすがるから、いつの間にか変な行為や信仰も当然のように受け入れるんです。
「餅は餅屋」という言葉もありますが、餅屋にも色々あるし、あった方がいい。
安い原材料に変えてでもロープライスで買いやすい事にこだわる餅屋もあれば、原材料高騰で大変でも昔からの材料や製法にこだわる餅屋もあるわけです。
であれば、テレビにもネットにも色々あっていいはずですよね?
でも、なぜだかテレビ(大手メディア)は特定の話題になると示し合わせたように「1つのメディア」であろうとする。
多種多様な意見を並べて戦わせようとしない。不自然なほどに一方向のみの意見ばかりを取り上げたり、不自然なまでにシカトして取り上げようとしない。
故にテレビでしか情報を得ていない人は極端に偏った思想になっていることが多いですが、さらにその自覚がありません。
これは私が遠くに住む家族と電話した際に時事ニュースを話題にすると如実に感じることです。
現状、ネットはびっくりするほど玉石混交です。
だからこそ、ネットには色々な情報があって考えるきっかけを得られる場所になっていると言えますよね。
テレビは中立公平を謳いますが、明らかにネットでバズってる時事問題を取り上げていない事さえあります。
テレビには時間の尺がありますから、旬な話題も数が多ければ絞る必要が出てくるでしょう。
ただ、それを建前に情報を意図的に絞ることも可能ですし、結果的に国民が知るべき情報を届けられていないのならテレビの価値を疑われても致し方ありません。
それにテレビ局は自身のネット媒体もあるんですから、そこで時間的制約のない幅広い情報提供をすればいいだけのこと。
それさえしないのですから、シカトされている当事者たちの不満は募るばかりです。公平とは言えません。
大手メディアのネット展開と言論工作
テレビ局を関係性がある大手メディアはネットにも自身の媒体を持っています。
彼らはネットの世界でも幅を効かせる必要があり、そのための戦略はすでに行われていると言えるでしょう。
実際、グーグルやYahoo!にはニュースを掲載するサービスがありますし、そういうニュースサイトに掲載されるのは大手メディアの記事がほとんどです。
逆にYoutubeやXなどにはそれぞれ大手メディアもアカウントはあれど、一般個人や著名人の個人チャンネルの方が幅を効かせているといえます。
「個人がSNSやブログで発信力や影響力を得てしまうこと」は大手メディアがやっていた国民コントロールがやりにくくなることを意味しますよね。
今もTwitter(X)やYouTubeで「偏向報道」と調べればマスメディア批判や実際の偏向報道の切り抜きなどを投稿、拡散している人がたくさんいますし、テレビの悪質な側面は年々知れ渡っているように感じます。
大手プラットフォームでは特定の話題において検閲し言論統制をしていた訳で、特にコロナの時などは非常に強い管理が行われていたように思います。
また、よくネットでは「工作員」などというワードが出ることがあります。
「特定の思想や言論を広めるため(あるいは邪魔するために)にどこかの誰かが工作活動をしている」という意味で使われますが、これもあながち陰謀論だと笑うのは難しいと思える時代になっています。
(10年以上前、2ch全盛のころから目にしていたワードですが、当時の私は「そんな奴いんのかよ笑」と思っていました)
ネットの言論空間は「(思想的に)敵対している奴はみな工作員」みたいに決めつけてしまう人もいますが、私が言いたいのはそういう意味ではありません。
これほどネットでの情報拡散に価値がついた今「意図的に匿名のインフルエンサーを生み出すこと」や「1人に10人分のアカウントを持たせ投稿をさせること」や「AIなどを駆使して架空の特定思想を広めること」といった工作活動にも価値(可能性)があると考えるべきということです。
SNSマーケティングのプロであれば、匿名アカウントでも計画的にフォロワーを増やし影響力を持たせることが可能でしょう。
つまり「ネット上で特定の思想を広める仕事」があっておかしくない時代だと思うのです。
だからこそ、言論空間はどこもかしこも汚染されていると言えます。
- テレビ・・・スポンサーや関係企業・政治との関わりで規制や圧力がかかる
- ネット・・・純粋な主張をする人に加え、ビジネス的に思想扇動する企業や個人が加わり戦争状態(+大手は検閲etc)
これらはあくまで「私がそう思っているだけの話」ではありますが、想像以上に混沌としているのだと考えます。
だからこそ「色々な視点からの情報」が必要なのであり、どこかに縛られることは危険なのです。
さいごに
詐欺師の手法は情報を受け取るときに役立つ
詐欺師の手法をご存知でしょうか?
- 情報的に囲い込む
- 信用を得ようとする
- リスクとベネフィットを比べさせる(が偏っている)
- 感情を刺激する
- やっている人の成功事例を話す
- 今すぐ決めないと損だと思わせる
- 自分で決めたという意識を強く抱かせる
これらは詐欺師などが他人を騙す時に使うテクニックの要点です。
ポイントとしては「後で調べられたり、他人の介入を阻止したいので囲い込んで即決させる」という所です。
これらを知った上で他人の話を聞いていると「この人は誘導しようとしているかどうか」というのがわかります。
詐欺師の手法の真逆を挙げるとすれば下記です。
- 自分以外の話や反対意見もよく調べるよう忠告する
- リスクをひたすら説明する
- 最悪な失敗事例を話す
- 感情を刺激しない(夢がないことばかり言う)
- 今すぐ決めないことを薦める
そうです。こんな事していると商売にならないのです。
メディアは情報ビジネスをしていますから、こんな事は言わないですし、言う時はその反対側に利益があると見ることができます。