「オールドレンズで遊んでみたい」という思いつきを叶えるべくフリマアプリで格安のNEX-5を購入。
そのまま勢いでハードオフまで出向き、550円の古くて汚いレンズも買ってきました。
安く揃えたNEX-5にふさわしい「安いレンズ」を求めて
ハードオフのジャンクコーナーは売れ残り市
オールドレンズも状態の良いものや、希少価値の高そうなものはガラス棚に入って売られてましたが、そうではないレンズはフィルムカメラと共にプラスチックコンテナの中に山積みにされていました。
レンズを弄りたいだけなので高いレンズは買いません。(今後はわからないけど)
とりあえず1000円以下で何か良さげのものが無いか物色していたのですが、ないですね。
そりゃ、既に転売目的の人や愛好家が探し尽くした後ですよね〜
どれも似たようなレンズしかコンテナに入っておらず「なるほど、これは残骸か」と物色最中、天啓に打たれました。
とはいえせっかくハードオフまで来たので「まずは安いレンズを1本買って壊そう。勉強になるかもな!」と、こちらを購入。
SIGMA ZOOM-κⅡ 70-210(シグマ ズーム カッパーII) という望遠レンズだそうです。
ゴム部分が白化してますし、全体的にハードオフ臭が染み付いてます・・・でも残骸の中では金属部分が多くこれが良い感じでした。
価格は税込550円。一瞬50円に見えたのですけど、新手の騙し手法ですか?
初めてオールドレンズをいじってみた一部始終
ゴムの白化をどうにかする
調べたらこのSIGMA ZOOM-κⅡ というレンズは1983年頃発売の品だそうです。
口径比をおさえることで,低価格と軽量化とを意図したと思われる,望遠ズームレンズである。このズームレンズは,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,たとえばvol.77 (1983年)に掲載が見られ,価格は31000円,重さは530gとなっている。
もはやカタログとかも公式にないとなると、愛好家の方の情報発信がいかに貴重かがわかりました。
そんな年代物ですから、ゴムが劣化するのも当然ですけど、どうにかしたい。
というか丸洗いしたい。もうこのままジャブジャブ水洗いしたい。
さすがにそれは初手でアウトっぽそうなので、とりあえずゴム部分の着脱を試みることに。
取れました。コツコツやれば取れるもんですね。
それよりも40年近く経ってるのにこのゴムの耐久性・・・すこし引っ張っても破れる気配がありません。
白いのは粉です。謎の粉です。おえー。
私は「水洗い大好き人間」なので、洗わない手はありません。
ばっちり洗って綺麗になりました。内側も綺麗になりすぎてツヤ出てますからね。
しかし、乾くと白化の後が出てくるものです。
これは自転車のグリップやタイヤで既に学んでいるので対策があります。
セリアで買っておいた靴磨きです。
靴磨きの液体はセリアもダイソーも微妙ですね。黒が薄いというか濃紺っぽいんですよね。
あと水っぽくて弾く感じがあります。
コロンブスのナイトリキッド(安いものならピカット)だと油分も多めで色もしっかり黒いので少し高くてもコロンブスがいいですね。
塗ってはドライヤーで乾かしを繰り返した後。墨が少し染み込んで前より黒々とするようになりました。
私は靴磨きの液体を使っていますが、自動車タイヤの艶出しスプレーなんかもオススメだそうです。
筒の汚れが気になるのでどうにかする
見えますかね、筒の部分になんだか汚れが見えます。
先ほどの白化といい、こういう部分が古さというか汚さを感じさせるのもですから、どうにか綺麗にしてあげたい。
まずは家にあったこれで磨いてみます。
プラスチック用ですけど、金属になら優し目なのでは?
いい感じに汚れが削り落とせるとわかったので、さらにピカールも投入して磨く。
よくわからない汚れは綺麗さっぱり消えました。
うん、綺麗。
人間中身とは言いますけどね、外側がおざなりすぎると内側まで見てもらえませんよ。
FD用のマウントアダプターが届いたので装着してみる
実はハードオフでレンズを買う前に、FDマウントをEマウントにするアダプターをAmazonで買っておりました。
今回のレンズは安さに加え「for CanonってあるしFDじゃね?」と軽いノリで買ったのもあります。割とギャンブルでした。
アダプターが届いたのでつけてみます。
FDだったようです。ギャンブルに勝ちました。
「分解のためだけのレンズ」で終わらずよかったです。
前玉は割と綺麗?なのかわからないのですが、覗き込むとチラチラと埃の膜のようなものがあったので、状態は良くなさそうです。
このレンズで撮ってみました。(余計なもの映り込みすぎてトリミングしたものです)
なんだか悲しい感じの風合いというか、NEX-5と同時期に買った標準レンズと全然違います。
分解してみる。
ここで満足するのもいいですけど「せっかく550円のレンズなんですからもっと攻めましょうよ」と。
学びの邪魔をするのは大体「ひえぇ、壊したら怖い!変なことはしないでおこう!」だと思っています。
最初から壊す気で向き合うことで思わぬ発見や学びを得ることもありますし、逆に考えるなら壊せる価格で得たモノは躊躇しちゃいけません。
ポイント
【めちゃくちゃ参考になったサイト記事】SIGMA ZOOM-κⅡ70-210/4.5(FD) 修理記
2002年に執筆された記事が2022年でもなお読まれるってすごいですよね。しかも1983年頃のレンズのために。
ゴムが巻いてある筒にはアルミテープが貼ってあるのですが、剥がすと筒を回せるようになります。
カポッと取れました。
ネジを外して。
ネジを外して。
中玉?が取れました。
参考にしたサイト記事曰く、かなりバラバラにできるようです。
先ほどの筒と並行に貼ってあるアルミテープを剥がすと、ネジが出現。外します。
カニ目レンチは買ったのですが、レンズを回す道具?がないので、100均のシリコンラップと空き瓶で即興してみます。
前玉?が外れました。
マウント部分は手を出さない方がいい(特にFDマウントはめんどくさいらしい)らしいのですが、550円なので突き進みます。
ネジを緩めて外した時に、カチャンという音とともに引っ張るようなテンションのかかりが解除されました。
確かに戻すのめんどくさそうです。涙が溢れました。
中途半端にもここで終わりなんですが、マウント部分は無事戻すことができました。
懲りずにまた分解する予定なので、コツを掴んだら何か書き記しておきたいですけど、うまく伝えられる気がしません。
さいごに
レンズを拭いてみてわかったこと。ホコリがやばい。
レンズを綺麗にするのってめちゃくちゃ大変ですね。
HAKUBAのクリーニングペーパーも買っておいたのですが、何で拭いてもホコリが付着して発狂案件です。
仕上げはマスキングテープでぺたぺたするのが一番ホコリを除去できました。それでも残ってますが・・・。
というか手入れする前より、手入れ後の方が汚い気がするんですけど!!!!
外観はいいですよ、かなり水洗いしましたし。磨きましたし。
でも、レンズの手入れがすごく難しい。
「クソ素人が勢いでやってどうにかなると思ったら大間違い」なレベルでした。
そして大きな発見がありました。
2022/05/06追記
とりあえず掃除して組み立てて撮ってみた
初分解のとき「マウント部分はなんとか戻すことができました」とか書いてましたけど・・・。
全然元に戻ってなかったです。わかってないって怖い。
もはやぶっ壊したに近い状態だったのですが、パズルをやる様に毎日向き合ってネジがバカになるくらい色々いじっていたら(たぶん)ちゃんと戻りました。
マウント部分の構造も理解できたつもりなので(このレンズについては)何回バラしてもとりあえず戻せるのですが・・・実はそう思ってるだけでどっかおかしくなってるかもしれません。
あと絞り調節リングに付いてる小さい鉄球(1.5mmくらいの)ですが「よく失くするので注意せよ」と色々な記事で見かけては「いやいやw私はなくさないよ〜」と根拠なく調子こいてたら失くしました。
しかもアリエクで鉄球だけ注文した数日後に奇跡的に見つかりました。(腕時計分解中に秒針を落っことして探してたら鉄球が先に見つかるという)
カメラの液晶でピントが合ってるように見えても、PCに取り込むと合ってなかったりしますよね。
特にマニュアルフォーカスは難しいです。
言い訳ですけど明るいレンズではないのでうちの中で撮ると光量不足でブレちゃいます。ISO上げるとノイズ乗りますし。
次回予告(未定)
メルカリで1000円のレンズを買ってしまいました(またズームレンズ)
今度はニコンなのでニコン用のマウントアダプターはアリエクで頼んでますが、最近の中国さん大変そうなので到着さらに遅めだと思われます。
いつになるか不明ですがまた記事にしようと考え中。
2022/05/21追記
お外で撮影してみた
自宅から離れた池のある公園まで出向いて撮影してきました。そのままのjpgを載せています。
池でのんびり泳いでたカモさんも撮ったのですが、みるみる位置がズレるためピントリングを回しながら追従していくあたりはもう勘でした。
「初レンズいじり」の締め括り
ハードオフに転がってるなんてことない昔のボロレンズをいじって、型落ちもいいとこのミラーレスにくっつけて遊ぶというのは「あのレンズがあればいい写真撮れるのに!」とか「あの最新機種にしたいけど高いしなぁ・・・」といった欲望とは全然違う次元に存在しているもので、それはそれで楽しめるものだと感じました。(現行の機種やレンズに憧れお金を費やすのも良いと思ってますよ!否定はしません)
はたから見れば「貧乏くさい」とも思えるコストのかからなさ具合ですが、私は一連の「購入→分解→清掃→組立→撮影」という工程に満足感と達成感を得ており、誰に何を思われようがこの満足感と達成感は奪われることはないのだと知ると「こんなにコスパがいいことも少ないなぁ」と思う次第です。
飽きるまで定期的にローコストカメラいじりの旅を続けてみたいと思います。