モニターヘッドホンは数あれど、定番品はだいたい決まっていますよね。
特にDTMなどを始めた人にとっては最初にどれを選ぶかで結構クセが付いてくるところだと思います。
DTMerのモニターヘッドホンとしても優秀なオーディオテクニカATH-M50Xをレビューしてみます。
DTMにおすすめなモニターヘッドホン
ド定番はMDR-CD900ST?
モニターヘッドホンのど定番と言えばSONYのMDR-CD900STです。
音楽業界でも幅広く使われているらしく、ヘッドホンパーツが別売りされているのもプロ仕様を感じさせます。
実は私も最初はMDR-CD900STを購入し使っていました。
しかし、MDR-CD900STにはジャンルに寄ってはモニターヘッドホンとして適していない気がしており、その理由は下記。
- 低音が弱い
- 耳が痛くなる(人により)
調べてみると「MDR-CD900STは歌のレコーディングといった用途に適しており解像度も高いが、低音が弱く昨今のテイストには合わない」といったレビューも見受けられました。
確かに低音は聞き取りにくく、両耳を手で抑えないとなりません。
例えばDTMをやるにしても低音が大切なクラブ・ダンスミュージック系の人なら一考の余地アリでしょう。
加えて私の場合は30分程度装着しただけで耳が痛くなったため、サードパーティ製のふかふかなパッドに取り替えましたが、そのせいで更に低音が聞き取りにくくなり最終的に手放しました。
日本国内で永遠の定番と化しているMDR-CD900STですが、これを長年使っていて勝手がわかる人ならいざしらず、初心者かつダンスミュージック系をやるなら別の選択肢が良い気がします。
低音がわかりやすいモニターヘッドホン
私はMDR-CD900STとは別にAKGのK240studioも所有していました。
こちらはセミオープンタイプで海外レコーディングスタジオでも使用されているとか。さらに数千円で買えるお手頃価格です。
(実際はそんな使われている訳でもないようです)
装着感も悪くないのですが、セミオープンタイプであるため外の環境音が入り込みやすく、場合によってはイマイチです。
また、低音も聞き取れますが密閉型よりしっかり掴める感じがしません。
そこで、実際に低音に厳しい海外の方はどのヘッドホンを評価するのか調べたところ、下記の動画を見つけました。
3位 SHURE SRH 1540
2位 SENNHEISER HD280 PRO
1位 AUDIO TECHNICA ATH-M50X
なんとオーディオテクニカのATH-M50Xがナンバーワン。
海外Amazonレビューも5,000件を超える高評価であり、雰囲気的にサクラやヤラセによる高評価でもないようです。
という前置きをしてからのヘッドホンレビューとなります。
audio-technica ATH-M50Xレビュー
高級感はないものの、質実剛健な作りを感じられる
MDR-CD900STは何の飾り気もない箱に入ってますが、こちらはちゃんとデザインされたパッケージです。
まぁ、商品の品質には関係ない部分ですが、プレゼントとして考えたときには良いですよね。
シンプルに梱包されています。
持ち運び用のロゴ入りポーチが付いていますが、合皮ですね。
手触りは良いです。
中央部分のカップを開けるとケーブル類が収納されています。
ケーブルは直線タイプ2種とカールコードが付属。
カールコードは重いので使ってません。
ケーブルは見ての通り着脱式ですが、注意ポイントとしては両端でサイズが異なります。
Amazonなどで買える一般的なステレオミニプラグコードだと本体側とサイズが合わないので注意です。
また、金メッキの部分だけでなく結構奥までズボッと刺してカチッと回して固定するタイプなので、プラグサイズが合っても使える保証はありません。
ハイグレードな交換コードは下記がありました。
本体は極めてプラスチック感があるものの、作りが丁寧であるため安っぽさはそこまでありません。
結構酷使しても耐えてくれそうなデザインですし、2万円くらいのヘッドホンとしては満足いくクオリティだと思います。
DTMで半年ほど使い続けてみての感想
実はコレ最近買ったものではなく、半年程前に買って今まで使い続けていたものです。(写真は買った時に撮った)
パッド部分は合皮ですが、耳あたりは良くMDR-CD900STのように長時間装着で耳が痛くなりません。
そもそもMDR-CD900STで耳が痛くならない人もいるようなので、個人差ではありますが・・・。
合皮であるため蒸れ感は避けられません。
肝心の低音に関しては流石高評価なだけあり、かなり下までしっかり鳴ってくれるのがわかります。
鳴り方も引き締まった低音であり、ボワンボワンしません。
TRAPにある「ドゥーン」といったサブベースも気持ちよく聞き取れますね。
中域や広域も過不足なく出ていると思いますが、個人的に低域より重視していないので不満はないという程度です。
私の場合、MDR-CD900STよりもATH-M50Xの方が何倍も使ってて良さを実感できました。
もちろん作るジャンルや表現などで評価は変わるものだと思うので、あくまで個人の感想ですが。
ATH-M50Xに関する疑問
ATH-M20X、ATH-M40X、ATH-M70Xとの違い
ドライバー直径や最大入力、再生周波数帯域、付属品などに違いがありますね。
またヘッドホン外装にも違いが出ており、最上位モデルのATH-M70Xであれば金属素材を使うなど高級感もアップしています。
「ATH-M50Xを買うかATH-M20X(あるいはATH-M40X)にするか悩む」という人もいるかもしれませんが、長い目で見ればATH-M50Xがおすすめ。
もちろん上位のATH-M70XもOKですが、レビューの多さなどからATH-M50Xでも必要十分な性能であると評価できます。
ATH-M20X 約6,000円
- 型式:密閉ダイナミック型
- ドライバー:φ40mm、CCAWボイスコイル
- 出力音圧レベル:96dB/mW
- 再生周波数帯域:15~20,000Hz
- 最大入力:700mW
- インピーダンス:47Ω
- 質量(コード除く):190g
- プラグ:φ6.3mm標準/φ3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイ
- コード:OFCリッツ線3mコード
- 付属品:φ6.3mm標準/φ3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイプラグ
ATH-M40X 約12,000円
- 型式:密閉ダイナミック型
- ドライバー:φ40mm、CCAWボイスコイル
- 出力音圧レベル:98dB/mW
- 再生周波数帯域:15~24,000Hz
- 最大入力:1,600mW
- インピーダンス:35Ω
- 質量(コード除く):240g
- プラグ:φ6.3mm標準/φ3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイ
- コード:OFCリッツ線1.2mカールコード(伸長時約3m)、OFCリッツ線3mストレートコード
- 付属品:φ6.3mm標準/φ3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイプラグ、ポーチ、カールコード(着脱式):片出し1.2m、ストレートコード(着脱式):片出し3m
ATH-M50X 約20,000円
- タイプ:密閉型ヘッドホン
- ドライバー:ダイナミック型(直径φ45mm、CCAWボイスコイル)
- 再生周波数帯域:15~28,000Hz
- インピーダンス:38Ω
- 感度:99dB/mW
- 最大入力:1,600mW
- ケーブル:着脱可
- 質量(コード除く):約285g
- 付属ケーブル:
・OFCリッツ線1.2mカールコード(伸長時約3m)
・OFCリッツ線1.2mストレートコード
・OFCリッツ線3mストレートコード - その他付属品:
・φ6.3mmステレオ標準変換プラグ
・ポーチ
ATH-M70X 約33,000円
- モニターヘッドホン
- 型式:ダイナミック密閉型
- ドライバー: 45mm径CCAWボイスコイル
- 出力音圧レベル:97dB/mW
- 再生周波数帯域:5~40,000Hz
- 最大入力:2,000mW
- インピーダンス:35Ω
- 質量(コード除く) :280g
- プラグ: 6.3mm標準/ 3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイ
- ケーブル:OFCリッツ線1.2mカールケーブル(伸長時最大3.0m)、OFCリッツ線3.0mストレートケーブル、OFCリッツ線1.2mストレートケーブル
- 付属品:専用ハードケース、キャリングポーチ、ケーブル各種
ATH-M50Xを買うならどこがベストか
楽天・Amazonが安定して安いうえ、タイミングによってはポイントなどで破格値になることも。
サウンドハウスも安いですが、貰えるポイントはサウンドハウスで音楽関係にしかつかえない期間限定ポイントであるため注意が必要です。
>>サウンドハウス
さいごに
ダンスミュージック系DTMerは迷わず選んで間違いないモニターヘッドホン
海外メーカーのモニターヘッドホンを含めれば選択肢はまだあります。
とはいえ、抜群の安心感があるおすすめなヘッドホンでした。