身体や心の不調は生活環境を変えることで改善されたりしますが、中でも食事を変える意味は大きいと言えます。
毎日の食事が人間の身体を構成しているので、食品は「病気」はもちろん「思考」や「精神」にも影響していると考えています。
そこで食品について調べていると、必ず添加物や農薬、偽装や裏事情に突き当たるでしょう。
「疑わしい食品」は危険だから食べるなというのは簡単ですが、現代において「疑わしい食品」を一切を控えるのはかなり難易度が高いです。
とはいえ知識を蓄えるのは自由。
この記事では一部の食品の裏事情をまとめてみました。
「それってアリなの?」知るほど疑問が湧く食品の裏事情
刺身盛り合わせやミックス野菜は加工品なので産地記載を省ける(場合がある)
食品表示法によると、刺身の「一点盛り」は「生鮮食品」、「盛り合わせ」は「加工食品」という分類になる。生鮮食品の扱いになるとその魚の産地や養殖か天然かという内容を厳密に表示しなければならない。一方、加工食品の場合はそれらの詳細な内容を表示する必要がない。
スーパーに並んでいる刺身ですが、その点数によって「生鮮食品 or 加工食品」に分かれるそうです。
確かに刺身10点盛りなどだと、全ての魚介類を記載の産地で安定供給できるかわかりません。
産地が変わるごとに表記を変えるのも大変ですからね。
それと同じ理屈で、様々な野菜がカットされて袋詰めされた「ミックスカット野菜」も産地記載を省けるようです。
(内容量の半分以上が1つの野菜で占めてある場合はその野菜の産地記載が必要)
加工品は最終加工地が産地になる(海外)
トマトそのものや、加工に際して投入されている添加物等についてはわかりませんが「輸入した濃縮トマトを薄めて缶詰にした国が産地」なら、なんでもやり放題ですよね。
さらにその中国トマトは人件費がひどく安い(まともな労働環境か不明)な地域のものもあるようですからね。
実際にカゴメはウイグル自治区で作られたトマトの輸入を停止しました。
カゴメ、新疆ウイグル自治区産トマトの使用停止へ。人権問題への国際的な批判の高まりも考慮
トマト缶は闇が深く、アフリカなどでは腐ったトマトに添加物ぶち込みまくった「ブラックインク」なる製品も流れているとか。
イタリアにはアグロマフィアと呼ばれる食品系の闇取引で暴利をむさぼるマフィアがいるらしいので注意が必要ですね。(オリーブオイルも彼らの商売道具)
加工品を作るための材料に使われた添加物は記載不要(キャリーオーバー制度)
何か製品を作るにあたって使用された原材料に含まれる添加物について、効果が最終的な製品にさほど効果を与えない場合は省略してよい。
というのがキャリーオーバー制度だそうです。
でも、そんなのメーカーしかわかりっこないですから「なるべく表示したくないなぁ」と思ったら隠せそうですよね。
複数の添加物をまとめて1つのものとして表記できる(一括表示)
複数の添加物が使われていても個別に物質名を示さず、まとめて「○○」と一括で表示できる仕組み。
これにより見かけは1種類しか入ってないようにみえますが、何種類の添加物がどれだけ使われているか不透明です。
例えば、濃縮還元のジュースは必ずといっていいほど香料が含まれています。
果物を煮詰めて濃縮原料とする過程で匂いなどが飛んで消えるため、香料を添加して「果物の匂い」を再現している訳ですね。
もちろん果物の種類でそれぞれ違う香りですから、使う香料も変わりますよね。
その香りにするために様々な添加物や薬品が使われていても、まとめて「香料」で済むのが一括表示です。
生の果物より取り扱いも楽だし、香料入れてでも使いたくなる気持ちはわかる。
100円そこらで買える濃縮還元ジュースにコストのかかる天然の香料なんて使えん。
でも香料入りのジュースを飲めば自然と摂取できる。
他にも下記のような一括表示対象はいちいち物質名を書かなくてもいいルールになっています。
- イーストフード
- ガムベース
- かんすい
- 苦味料
- 酵素
- 光沢剤
- 香料(合成香料も)
- 酸味料
- 軟化料
- 調味料
- 豆腐凝固剤または凝固剤
- 乳化剤
- Ph調整剤
- 膨張剤・ベーキングパウダー
比率が○%以上なら名乗って良い
実は干しそばの中には、ほとんど小麦粉で作られたものがあるのです。干しそばは、そば粉の比率が30%以上あれば、そば粉の比率を表示しなくてよいことになっています。
つまり、そば粉が30%以上使用されていれば、あとは全部小麦粉でも、「そば」と表示することができます。
調べてみると、要冷蔵の生麺においては「そば粉が30%以上使用でそばと名乗れる」ようです。(公正競争規約によるものであるため、公正マーク非表示の品物はその限りではない。)
またJAS規格においては乾麺の場合「30%以下でもそばを名乗れるが、そば粉の割合が30%以下のものはその割合を明記すること」が条件とのこと。
食品添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般的な名称をもって記載すること。
ただし、2種類以上の原材料からなる原材料(以下「複合原材料」という。)については、当該複合原材料の原材料の名称の次に括弧を付して、当該複合原材料の原材料を当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般的な名称をもって記載すること。
原材料は多い順に表記されるということですから、パッケージの裏が下記のようになっていると「ほとんど小麦粉蕎麦」なんてのもある訳ですね。
原材料:小麦粉 そば粉 食塩
気になったのでスーパーやドラッグストアで売られている乾麺を調べてみました。
私がみた所では商品棚には10割そばが1つ、二八そばが1つだけで、あとは全部そば粉15~25%、ほぼ8割は小麦粉で出来ているそばが大半でした。
中には1割未満というぶっ飛んだ表記のそばも・・・。
その過程で効率化のために薬品を使い、コストカットのために混ぜ物をする。
本物を知らずに育った子供にとっては「偽物が本物であり、本物が偽物である」という逆転現象が起こる。
蕎麦本来の味わいや、栄養素をしっかり取りたい方は七割そば、二八そば、十割そばを買うと間違いないでしょう。
添加物として入っているビタミンB1は正式にはビタミンB1ラウリル硫酸塩
上記動画でも詳しく解説されています。
昨今の「減塩ブーム」によって「塩分濃度の高さで保存が効いていた食品」の保存性が落ちました。(梅干しなど)
そこで別途保存料を添加することとなり、その保存料にビタミンB1ラウリル硫酸塩(チアミンラウリル硫酸塩)が使われるようになったのですね。
このビタミンB1ラウリル硫酸塩は強力な抗菌作用があり、これは本来のビタミンB1が持ち得ない特徴とのこと。
しかし、添加物表示としては「ビタミンB1」とだけ書けば良いルール。
保存料にソルビン酸などを使い消費者から「うわ、保存料入ってる↓↓↓」と避けられにくいどころか「ビタミンB1って栄養素じゃん↑↑↑」と好意的に見られるようです。
毒性に関しては安全と言われていますが、ラット実験では少し怪しい結果もあるようです。(ラットと人間は違う生き物なので単純に比較できませんけど)
他のサイトでも記事になっています。
市販の梅干し、安全性に問題か…長期保存可の罠、原材料・ビタミンB1は実は保存料 - Business Journal
加工食品におけるビタミンB1は、ビタミンB1(栄養)じゃない!合成保存料だった!?
添加物のビタミンB1は保存料のこと - waca-jhiのブログ
食品添加物は人体に安全な量を守っているという主張
「私はちゃんとやっているから」という言い訳に過ぎない
よく「食品添加物は安全基準を守って使われているので人体に影響を及ぼすリスクは低いと考えられる」なんて主張があります。
これって「それなら安心だ」と思うにはあまりにも心許ない言葉ではないでしょうか?
というのも、それは各メーカーが1つの商品について言ってるだけだから。
私たちは普段1つの食品だけ(あるいは材料だけ)食べて生きている訳ではありません。
何種類〜何十種類もの食材を身体に取り込んで生きています。
加工品や惣菜であれば、その1品の裏にはさらに何種類もの食材や添加物が含まれていますよね。
何かの食品1つで見れば安全基準を満たしていても、そのような食品が何十種類ともなれば結果は「わかりません」です。
ましてや私たちは様々な生産者やメーカーから食品を買っているのですから「うちは安全基準を守ってるけど、他は知らねーよ!」ってのが各メーカーの言い分です。
栄養士の人は最終的にできた料理(各食品の合計)で得られる栄養素を計算してはいますが「その料理で摂取してしまう総添加物のリスク」まで計算はできませんよね。
だって野菜も肉も加工品も「メーカーによって何がどう作られているかわからない」のですから。
適当に数値つけて例をつくるとこんな感じです。(数値は適当なので添加物の単位が1mgかはわかりませんよ)
- 食品A 1mg(安全基準OK)
- 食品B 1mg(安全基準OK)
- 食品C 1mg(安全基準OK)
- 食品D 1mg(安全基準OK)
- 食品E 1mg(安全基準OK)
1日でこれらを食べた私たちの身体には最終的に5mgの添加物が入る訳です。5mgも摂取していいのか?については誰も保証してくれません。
各メーカーは「うちは守ってる!食べ過ぎたお前が悪いんだ!」と言うでしょう。
国やメーカーの言う基準ではなく「自分自身で添加物バランス」を考える
先ほどのように「うちは基準を守ってる」というメーカーの食品も10個や20個より集めれば「アウトで〜す!」という可能性もゼロではありません。
あるいはストレスやなんやで何人前も爆食いしまくれば「山崎!アウト〜!」みたいな話にもなるでしょう。
結局は「国が基準を〜」とか「メーカーが〜」ではなく、個々人で基準を考えて食べないといけないということになります。
「私は栄養バランスを考えて食事してる!」とか言う人でも、添加物バランスは何も考えられていないこともある訳で。
もし自分が病気になったとき「原因は不明です」と言われ、そこで思考は終わるでしょうか?
「何かが影響しているはず」と悩んだとき、食品の知識が栄養のみだと
- 「私はバランス良く食べてるから食事のせいじゃない!(ほぼ毎日冷凍食品やスーパーのお惣菜だけど)」
- 「毎日チョコやスナック菓子食べてるけど野菜もちゃんと食べてるし!(野菜ジュース)」
- 「コンビニ弁当が多いけど、別に食べ過ぎてないし、補助としてマルチビタミン飲んでるし」
などなど「そもそも自分の食生活に非などない!」という盲点が生まれる可能性にもなり得ます。
でも、人間の身体は毎日食べているもので作られますよね。ここが原点ではないでしょうか。
さいごに
「あれはダメ、これもダメ!絶対食うな!」は経済的にも、感情的にも難しい
難しいけど、だからといって諦めるのは違うと思うんですよね。
「100%でできないならやるだけ無駄だから何もしない」というのは思考を放棄したのと同じで、それこそ「0か100の理論を展開する人」でもあります。
無農薬や有機食品は(希少な分)高いですから、本気になればなるほどお金はかかるでしょう。
でも「なるべくお金をかけずに添加物や農薬の摂取を減らす」ことは可能ですし、私自身それを実践している途中だと考えてます。
「コンビニに行かず、お菓子なども買わずに、自炊。浮いた分を良い調味料やちょっとした有機食品に当てる」
このくらいならお金はかかりませんし、むしろ節約になる水準であるのは自ら体験済みです。
そのうちお菓子とかも「自分で作ってみるか!」と挑戦して、何度も失敗しながら少しずつレベルを上げていく。
これは「自分独自の幸せを得る手段」としても理想だと考えます。
食品の裏事情を知り「じゃあ食べれるものがないね」ではなく。
そんな感情的で無思考な帰結ではなく「じゃあ自分でなんとかやってみるか」に繋げることこそが健康なのだと考えています。